秋入学?

東京大学は、入学時期を春から秋に移行させる検討に入った。国際標準である秋入学の導入で、海外大学との留学生交換を円滑にし、大学の国際化を加速させるとともに、学生に入学までに社会経験を積ませることが狙い。 ...

... 合格者には高校卒業から入学までの半年間を「ギャップイヤー」として、海外留学やボランティア活動などの体験を積ませる。 ...

これはびびった.ますます*1私の通ったのとは別の大学になってしまいそうだ.しかしボランティアとか言われてもな... 福島にでも行けってか? それとも老人介護? 若く将来ある人材の時間をそんな生産性ゼロの労働に使ってほしくないな.あと奨学金の時期はどうなるんだ? 結局地元でバイトに明け暮れる学生も多いような.
あとこう言っちゃなんだが,入学時期をずらした程度でStanford蹴って東大に来る中国人トップ層がいるかっつーと,とてもそういう問題には思えず... 究極的には「日本人に評価される学歴が欲しいかアメリカ人に評価される学歴が欲しいか,どっちを選ぶ?」ってことじゃん.
個人的には国際的な評判よりは,どっちかと言うと「新卒採用」の概念が崩れることを期待したいですね.東大は,この先もずっと日本の日本人学生のための日本人教員による大学という立場からはそうそう脱却できるとは思えず*2,日本国内の官僚・法曹および自動車・機械・電機メーカーへの人材供給が主任務と言っていいだろう.(この辺は料理人が「お客様に料理を通じて思い出に残る体験をしていただくことが生きがいです」とか言ってても腹を満たせない料理じゃ話にならないと言う事情と似てる気がする.)その前提で考えると,とりあえず日本国内の労働生産性を大きく歪めている(ように私には見える)「『新卒』学生が『一流企業』目指して『就活』する」という労働慣行を破壊する方向に機能してくれたらいいなぁ,と期待してみたい.

*1:駒場生協が建て直されて,リア充以外お断り感を感じるのは私のひがみだろうか?

*2:例えば国連事務総長にはガーナ出身の黒人とか韓国人とかがなってるけど,(パフォーマンスに過ぎないかもしれんが)東大総長にIvy Leagueの著名学者(その人は黒人かも知れない)を引き抜いて据えるとかの選択を東大教授会はできるのかって話.