「p 年に一度の大地震」
id:flalin:20110325:1301023046 の続き.「『10年に1度の大地震』は『20年に1度の大地震』を含むのであって,後者を数えるのは重複である」という指摘を受けた.どうなんだろう? とりあえずそれを認めるとして,すると(とりあえず離散で考えると)考慮すべきは
- 10年に1度の地震,
- 11年に1度の地震,
- 12年に1度の地震,...,
- 19年に1度の地震,
- (20年に1度の地震を除いて)21年に1度の地震,
- (22年に1度の地震を除いて)23年に1度の地震,...
となる.要するに p を素数として,「p 年に1度の地震」を(頭の方の有限個を除き)全て考えればよい.そうなると,「(頭の方の有限個を除いた)p 年に1度の地震全てのうちいずれかが今年に起きる回数の期待値」は,
= ... (1)
と計算すればよい.ところで(ちょっとググると見つかることだが)素数の逆数の和 (Σ 1/p) は発散することが知られている:
- jawp:"素数 > 素数の逆数和"
- http://www.junko-k.com/cthema/17sosuu.htm Weekend Mathematics/コロキウム室/テーマ別 /17.素数の逆数の総和
- こちらの証明は危うい操作をしているようなしてないような...
すると Eqn. (1) は, +∞ - 1.176... = +∞ に発散する.対数発散ほど直感的な振る舞いをしないのが残念だが.
さて連続版はと言うと,これは私にはちょっと分からないぞ.区間 [0..1] も,そいつを含む区間 [0..10] も,等しい「連続の濃度」を持つことが知られている.
それと「地球の歴史の都合上,例えば『100億年に1度の地震』を考えるのはおかしいから,和は有限個で止まる」という意見もあった.しかし,そうすると地球の年齢というパラメタが「今年に起きる地震の回数の期待値」に入ってしまう.それは直感的におかしいと思うのでこの意見は退けたいんだが,どうだろうか...