傘がない

先日ここに越してきた直後に折りたたみ傘を無くしてしまった気がする.多分,駅前商店街のドラッグストアで雑貨を買ったときだろう.行きは雨を警戒して折りたたみ傘を持って出かけたのに降り出す気配は無くて,店の前の傘立てに置き忘れて帰ってしまったようだ(傘を無くすと言ったらこのパターンだよなぁ...).その直後に探したり店の人に尋ねれば取り戻せたのかもしれないだろうけど,引越のゴタゴタで「あれ,どこにやったっけな... 本郷に置いてきたか?」みたいにうやむやになって探すこともせず1週間以上経ってしまった.本郷を完全に引き払った今,部屋の中を見回して見つからないのだから外で無くしてきたのだろう(こちらで使ったことがある以上,段ボールに詰まってることは有り得ない).だとすると最後の記憶からしてあのドラッグストアか... という感じ.その折り畳み傘はガジェット好きの祖父が東急ハンズで買ってきた,ボタンを押すと畳むことができるやつで,最初は高校の頃(何年かは忘れた)に貰ったものだった.それが途中で壊れて,それを見た祖父がまた同じのを(笑)買ってきて,それもいつだったか覚えてないが駒場の頃にはその2代目を使っていたように思う.渋谷駅近くのセルリアンタワー2階のセブンイレブンから出るとき,強風をその傘で受けた思い出があるので... 遅く見積もって駒場2年の頃だとすると今から6年前.長い付き合いだった.さようなら.ありがとう.
物への愛着は人一倍強い方だと思う.所有欲ではなく,手になじんだ物が自分の体の一部,流れ去った過去のかけらのように思え,それが手元から離れてしまうことがとても悲しい.似たようなことは駒場1年の頃にもあった.高校の頃,御殿場で,今はもういない前の犬の散歩や,寒い朝に駅までの自転車通学でよく使っていた手袋があって,東京にも当然持ってきていたのだが,それを片方無くしてしまったのだった.あれはコートが良くなかった... コートのポケットが浅くて,脱いだ手袋をしまったまま歩くとふと落としてしまうのだ.御殿場で使っていた頃は何度か落としても気付いたのだが,渋谷の街で同じことをしたら取り戻すのは無理というもの.しかも高校の頃に使っていた手袋は2双*1あったのだが,両方とも渋谷で同じコートから落として片方になってしまったという... 何という馬鹿なのか自分は.ちなみにより気に入ってた方の手袋はUTMCの学園祭打ち上げか何かに行ったときに無くして,「あぁ飲み会なんてものはやはり自分には害しかもたらさないのであって,立場上とは言え,出席したのが間違いだった」と苦い涙を流したものだ... (UTMCの打ち上げだとメンバーの性格上,飲みと言う程には酒は飲まないのだが.) いえね,片方だけになったそれらの手袋を両方とも戸棚の中に持っていて,今回の引っ越しでそれをまた目にしたので,こんな回想に浸っているという次第なのだ.
さらにM1の夏,富士山に登ろうという企画が天候不順でおじゃんになったとき,新宿の街でリュックから高校の頃から使っていた筆入れを落として無くしたらしい話もあるのだが,それは既に id:flappphys:20070807#p1 に書いた. ... って,手袋を無くした話もそこに書いてあるじゃないか! どんだけ気に病んでるだ自分は...
ここからさらに同様の話を展開することは無限に可能なのだが,もう30分も書き続けているのでこの辺にしておく.
あ,やっぱ最後に軽く触れておくと,自転車も高1の頃から使い続けている.変速機が片方 壊れたりグリップやサドルが破れたりしてるが,自転車屋で売ってる部品でどうにかなるグリップやサドルは適宜 取り替えて,今も乗り継いでいる.実は就職をきっかけに「過去との決別」で捨ててしまおうかと思ったのだが,踏み切れないまま今度の引っ越しでも大田区に持ってきてしまった... (ちなみに本郷から洗足池まで乗ってきた.) だってチャンプが生きてた頃,高校が終わって御殿場駅から家にそのチャリで帰ってくると親が庭に放してたチャンプが門の向こうからこっちに気付いて喜び勇んで飛びついてきて,制服を毛やよだれで汚されないようにそのチャリを盾にしながら門を開け閉めした思い出があるんだぜ... 捨てられる訳がないじゃん.

*1:ググって調べたところによれば手袋に対する助数詞は「双」だとのこと.