周波数解析

高校の頃「政治経済」の教科書で読んだ記憶もあるなぁ... 景気変動の周期には代表的な以下の4種類が知られている:

  1. キチンの波:40か月
  2. ジュグラーの波:10年
  3. クズネッツの波:20年
  4. コンドラチェフの波:50年

これらなど,Fourier変換というきちんとした枠組みを使えばいくらでも一般形をぶち上げることができる典型例だと思ってるんだが... ともあれ上記4人の主張が正しいなら,景気変動の時系列データをFourier変換すると40か月,10年,20年,50年のピークが立つようだ.言い換えれば「15年に1度の大不況」とか「30年に1度の好景気」というのは実証研究として「無い」ってことなんだろう.
と,shiroさんのコメントを読んでそんなことを連想した.結局 現実のデータを見ると「任意の n に対する『n 年に1度の○○』」なんてものは単に「無い」(パワーが弱い),という当たり前の答えってことですね.そう言えば真の「白色雑音」はパワーが無限大に発散してしまうという話もあった.ただ私が言いたかったのは,過去データ*1を見ることなく「神武以来の」と同じノリで「30年に1度の」とか形容するのは良くないよなーということ.「ボジョレーヌーボーが毎年当たり年なのと同じだね」というコメントもいただいた.そんな訳で地震学の論文で過去のデータから地震周期を調べてるやつを適当に眺めてみようと思ったのだが,いまいち見つからず諦めてしまった."seismic fourier" 辺りでぐぐっても,地震計の揺れデータから震度を適切に計算する手法ばかりヒットしてしまう... (地震計の生データは様々な成分の縦揺れ・横揺れが混じってる)
あとそうそう,地球の歴史に関するパラメタでcut-offする話をしたが,こういうとき常に思い出すのは1のFourier変換だ.これは \exp(-\epsilon x^2) 等の「収束因子」を掛けて積分してから ε→0 の極限を取るのが常套手段だ*2.このように最後の極限操作で消えてくれるパラメタなら途中に導入するのはやぶさかではない.何かこの方向で怪しげな議論をひねり出せないものかな.

*1:地震計設置以前の過去も,地層から分かったりするみたいですね: http://web.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html 特集 津波災害は繰り返す

*2:http://physics.ucsc.edu/~peter/250/sing_ft.pdf